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  • 豚の検査用サンプル採取法

  • 飼料関係用サンプル採取法

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​豚の検査用の各種サンプル採取法

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米国ポーク生産者協議会（NPB）がポーク供給の安全保障策（PSP: Secure Pork Supply）を発表しました。豚熱、アフリカ豚熱、口蹄疫の早期発見を念頭にしています。その中で検査サンプル採取法と豚の保定法で日本の生産者や関係者にも有用と思われる部分と動画を紹介します。動画が2分以内で短くかつわかりやすい。ダウンロードもできます。各項目で、印刷配布用のハンドアウトもついています。全体のサイトは以下です。https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/

 

検査サンプル採取にあたっては以下のことをまず注意してください。

  • 採取する人の安全のために、サンプル採取時にペン周辺で有害・障害になりそうなものを排除し、邪魔しそうな動物も排除してください

  • 保護具を身に着けること

  • サンプルへの汚染を避けるため新しい用具・用品を使うこと

  • 水で溶けないように必ず油性マジックで試験管にラベルすること

​内容

  • 豚の保定

  • 血液採取・耳スワブ

  • 血液採取・肥育豚と成熟豚

  • 血液採取・哺乳豚と離乳豚

  • グループ豚の唾液採取

  • 鼻咽頭スワブ

  • 気管スワブ

  • 哺乳子豚処理物からの液体採取

  • 小胞内液採取

  • 解剖法

豚の保定１

豚の保定

 

必要な用具：離乳豚以上はスネア保定器が要

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考慮すべきこと

  • 保定する人の安全、疲労、身体的健康をまず第一に

  • 保定がうまくいかない豚は諦める

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/restraint/

豚の保定2
豚の保定3

血液採取・耳スワブ

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必要な用具：ゴムバンド、レーヨンスワブ、20ゲージ注射針、スナップキャップ（1 mlの滅菌水入り）、ペーパータオルかワイプ

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考慮すべきこと

  • この技術は、一般的に種雄豚や成熟豚に使用されます。

  • 決して曲がった針を伸ばして使用しないこと、新しい針を使うこと

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/blood-collection-swab/

耳採血用ゴムバンド
耳採血2
耳採血3
耳採血4

血液採取・肥育豚と成豚

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必要な用具：採血管、注射筒か真空式採血管（バキュテナー™）ハブ、注射針は初期肥育豚は16か18ゲージで38 mm、出荷豚と成豚には16ゲージで長さはそれぞれ 38 mmと76 mm

 

考慮すべきこと

  • 希望の診断に適した血液用試験管の種類と採血量については、獣医師に相談してください

  • 注射器を使用する場合は、皮膚を穿刺する前に、プランジャーポンプを引き戻しシールを外します

  • 真空式採血管（バキュテナー™）を使用する場合は、チューブをハブ針に押し付ける前に針で皮膚に穿刺してください

  • バキュテナー™を使用し、チューブの真空が失われた場合、新しいチューブを使用するか、注射針と注射シリンジを使い血液を採血管へ充填してください

  • 曲がった針は決してまっすぐにして使用せず、新しい針と交換してください

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/blood-collection-adult/

豚頸静脈採血
豚採血

血液採取・哺乳豚と離乳豚

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必要な用具：採血管、注射筒か真空式採血管（バキュテナー™）ハブ、注射針は哺乳豚には20ゲージで16 mm か25 mm、離乳豚には16か18ゲージで長さは 38 mm、

 

考慮すべきこと

  • 希望の診断に適した血液用試験管の種類と採血量については、獣医師に相談してください

  • 注射器を使用する場合は、皮膚を穿刺する前に、プランジャーポンプを引き戻しシールを外します

  • 真空式採血管（バキュテナー™）を使用する場合は、チューブをハブ針に押し付ける前に針で皮膚に穿刺してください

  • バキュテナー™を使用し、チューブの真空が失われた場合、新しいチューブを使用するか、注射針と注射シリンジを使い血液を採血管へ充填してください

  • 曲がった針は決してまっすぐにして使用せず、新しい針と交換してください

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/blood-collection-prewean/

豚保定4
豚採血

グループ豚からの唾液採取

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必要な用具：ロープ0.95-1.27センチ、無着色で無漂白、3.8リットルのプラスチック袋、ロープを切るナイフ、コニカル管（遠心分離用）

考慮すべきこと

  • 使用するロープの位置や数については、獣医師に相談してください

  • 新しく導入された豚は、ロープぶら下げに興味を持たない傾向があります

  • ペンがコンクリートの壁で分割されている場合は、拡張ロープを使用し、その拡張ロープに接続して口腔内唾液採取用ロープ、オーバーヘッド梁に固定することができます。また、何らかの支柱を使用することもできます

  • ゲートにロープを結びつけないこと

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/oral-fluid-collection/

豚唾液サンプル１
豚唾液サンプル2

哺乳子豚処理物からの液体採取

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哺乳子豚を処理（去勢、断尾）した後のものから採取

必要な用具：新プラスチック袋2つ（容量5リットル以上）、バケツ（容量5リットル以上）、ガーゼか無漂白のチーズ用こし布、コニカル管（遠心分離用）、バケツにガーゼをかぶせるための輪ゴムバンド

考慮すべきこと

  • 検査サンプル群の陽性発見割合である感度を最適にするために、できるだけ多くの分娩リッター腹と分娩室から検査サンプル液を採取してください

  • 代表的なサンプルサイズとしては、最低でも 30 の分娩リッター腹を含むべきです。

  • このサンプルは凍結しないでください

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/processing-fluids/

子豚からのサンプル
子豚からのサンプル2

鼻咽頭スワブ

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必要な用具：滅菌したスワブ、スナップキャップ管（輸送液媒体付き）

考慮すべきこと

  • 希望の診断に適したスワブと輸送液媒体の種類については、獣医師と相談の上、決定してください

  • 特に指示がない限り、個別のサンプルを提出してください。

  • 肥育豚や成豚を拘束する場合、スネアでの保定時に後方に十分に空間があり、鼻腔を閉じないことを確認してください

  • 荒っぽいスワブ使用は避けてください、出血はサンプル検査の妨げになることがあるので

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/nasal-swab/

気管スワブ
気管スワブ2

気管スワブ

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必要な用具：子宮頸管後部への人工授精用カテーテル（先のほうでなく柄の方を使用）、喉頭鏡または開口器またはその代用器、蓋つき透明管（輸送液媒体付き）

考慮すべきこと

  • 気管スワブ採取のための認可された用品は異なる場合があります。サンプルの採取方法は変わりません。獣医師と相談してください。

  • 特に指示がない限り、個別のサンプルを提出してください

  • 視界が悪い場合は、ヘッドランプや喉頭鏡があればそれを使用

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/tracheal-swab/

気管スワブ保定器
気管スワブ保定器2

小胞内液採取

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必要な用具：18ゲージの注射針、注射筒、蓋つき透明管か蓋つき血液用管

考慮すべきこと

  • できるだけ多くの液体を採取

  • 小胞は通常、鼻の上、または四肢の蹄冠部周辺に存在します

  • 正しい針と注射器のサイズについては、獣医師と相談してください

  • 豚を保定する際、無傷の小胞を破裂させないように注意してください

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。下の写真は模型です。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/vesicular-fluid/

小胞内液サンプル

解剖法

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必要な用具：解剖刀

考慮すべきこと

  • 臨床症状を呈し始めた豚を選択します

  • 農場で決められている安楽死法にしたがって豚を安楽死させる

  • 解剖を開始する前に、死亡を確認します

  • 鋭いナイフを使用しましょう

  • 高齢の動物は、剖検するのがより困難になる可能性があります

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。一般の人には残酷と思えるような動画を含みます。養豚界のプロフェッショナルか獣医学生以外の人は見ないでください。見たことによる被害の責任は本サイトは負いません。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/necropsy/

解剖刀
豚解剖法１
豚解剖法２

リンパ節

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必要な用具：解剖刀、シール付きプラスチック袋かスナップキャップ管

採取する場所：胃肝リンパ節、腸間膜リンパ節、腎リンパ節（下の図右から左の順）

考慮すべきこと

  • 農場で決められている安楽死法にしたがって豚を安楽死させる

  • どのリンパ節を決定するために獣医師と相談する

  • 消化管の内容物でリンパ節が汚染されないように採取

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。一般の人には残酷と思えるような動画を含みます。養豚界のプロフェッショナルか獣医学生以外の人は見ないでください。見たことによる被害の責任は本サイトは負いません。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/lymph-nodes/

豚解剖法3

胃肝リンパ節                        腸間膜リンパ節                   腎リンパ節

豚解剖法4

脾臓

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必要な用具：解剖刀、シール付きプラスチック袋か蓋つき透明管

考慮すべきこと

  • 農場で決められている安楽死法にしたがって豚を安楽死させる

  • 肝臓や小腸など、切開部に近接した他の組織は避けること

  • 剖検時に採取することができます

  • このサンプルは凍結しないでください

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。一般の人には残酷と思えるような動画を含みます。養豚界のプロフェッショナルか獣医学生以外の人は見ないでください。見たことによる被害の責任は本サイトは負いません。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/spleen/

豚解剖法4

扁桃

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必要な用具：解剖刀、シール付きプラスチック袋か蓋つき透明管

考慮すべきこと

  • 農場で決められている安楽死法にしたがって豚を安楽死させる

  • このサンプルは凍結しないでください

以下に動画と印刷配布用のプリントPDFもついています。一般の人には残酷と思えるような動画を含みます。養豚界のプロフェッショナルか獣医学生以外の人は見ないでください。見たことによる被害の責任は本サイトは負いません。

https://www.securepork.org/training-materials/disease-monitoring-sample/tonsil/

豚解剖法５

飼料関係のウイルス用検査サンプル採取

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　米国では、飼料工場や生産農場への病原菌の持ち込みを制限するために、飼料安全性（飼料工場や飼料供給システムへのバイオセキュリティの適用）という概念が一般的になってきています。カンサス州立大学では、飼料関係のサンプル収集法についての情報をYouTubeの動画付きで発表しています。htttps://www.asi.k-state.edu/research-and-extension/feedsafetyresources/samplingresources.html

環境用と飼料用のサンプル採取法があります。

環境用のサンプル採取に必要な備品

  • 4×4インチの外科用コットンガーゼ

  • 予備湿潤液 - リン酸緩衝液（PBS）1x 濃度、pH7.4

  • PBSが入手できない場合は、0.9%滅菌生理食塩水を使用することもできます。

  • 50 mL コニカル管

  • ニトリルまたはラテックス手袋

  • 消毒液例

  • 70％エタノールのスプレー、接触時間10分

  • 1:256 で希釈した第四級アンモニウム/グルタルアルデヒドのスプレー（接触時間 10 分）

  • 1:16で希釈した加速過酸化水素スプレー、接触時間5分

  • 10%漂白剤スプレー（接触時間10分

  • ペーパータオル

  • プラスチック製保存容器

飼料サンプル
飼料サンプル2

飼料の採取に必要な備品

  • スリーブ飼料管

  • プラスチック製保存袋

  • ニトリルまたはラテックス手袋

  • 消毒用ワイプ

  • 油性マーカー

飼料サンプル３

​飼料のサンプルを採取する場所は、下左図は上から見た場所（広がり）、下右図は横から見た場所（深さ）です。全体から10か所から採取することが大切です。

飼料サンプル５
飼料サンプル５

適性サンプル数

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　病原体を検出する場合、サンプル数が大きな問題です。サンプル数が少なすぎると、陰性でも信じられないし、多すぎるのはお金と時間のムダです。有病率が低ければ、検出のための必要サンプル数が増えます。カンサス州立大学（KSU）では、今までの研究結果、飼料中に豚流行性下痢（PED）がある場合の例では、有病率2.3％の場合には86サンプル数が要、有病率14％の場合は77サンプル数が要であると紹介しています。

　さらにKSUでは、飼料からの感染が強く疑われる場合で、死亡率と罹患率が高く大きな被害がある病気で、発生確率が高い場合は（例、PEDや豚熱）、合計300のサンプル数（飼料サンプル102、環境サンプル198）を推奨しています。

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