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  • ​ベンチマーキングとは

  • 米国7年推移ベンチマーク・繁殖

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  • ​北米トップ農場の特徴は?

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  • ​日本の繁殖肥育一貫生産農場での肥育豚生産コスト、農水省データから

  • 仏養豚研究所IFIPの労働生産性と施設費の国際比較

  • ​欧州の母豚・子豚・肉豚の死亡率と肥育成績

  • ​産次構成の安定化と理想の産次構成

ベンチマーキングとは

 産業界の平均と目標値を知り比較して、自農場との違いから改善点を考えるのが大切です。自農場の改善について四半期毎、毎年と定期的に農場スタッフと関係者の検討会をするとよいでしょう。継続が大きな力となります。米国のルーフ獣医師は、米国農場の生産性改善はただ測定を継続してきた賜物だと言いました。改善を継続することが大切です。

 ベンチマーキングの歴史は1980年代、戦後の日本経済の復興と躍進、米国への高品質の電気製品や自動車などの輸出は、米国を驚かせました。その中で、なぜ日本は躍進したのかという研究が行われました。米国MITの研究から日本経営の特徴として「改善Kaizen」そしてベンチマーキングという言葉が生まれました。

  米国ミネソタ大学のピッグチャンプ部は米国養豚界でベンチマーキングを広めました。その後、日本でもグローバルピッグファーム社と明治大学を中心に養豚ベンチマーキングが広く流布しました。現在では酪農部門にも広がっています。

まず参加することに意義がある

  よくない成績データもあります。ベンチマーキング参加には、弱点も出すという勇気が必要です。勇気をもって参加することで新しい情報、そこからの知恵やノウハウも生まれます。成績が恥ずかしくないから参加するのでなく、参加することに意義があるのです。よい成績も悪い成績も大きな集団となり、平均と目標値を創るのに役立ちます。高生産性農場も普通農場や低生産性農場も、改善を考えて学べるのです。米国・日本・欧州のベンチマーキングに関わった経験からいうと、優秀な農場経営者ほど、学ぶ力が強いのです。学ぶ力が強いことは、よい農場経営者の必須の能力です。

データ・情報・知恵

 データを出すことを嫌がる人は多いのです。知恵やノウハウを見られる、または盗まれるという気がする人もいます。そして今も多くの農場データは死蔵されていっています。

データは、個人のノウハウや知恵ではありません。データはただの数字の羅列です。ある規則で並べると情報になります。ベンチマーキングは情報を共有します。そこから学び、知恵やノウハウをつくるのは、参加者個人です。個人の知恵やノウハウは盗まれないのです。

美人コンテストではない

 賞を獲得することで、短期的に各農場の意欲は高めますが、今度は「賞」を取ることが目的になる恐れがあります。米国ピッグチャンプ社では20年前までは、トップ賞をだし多くの注目を集めましたが、競争が過熱しすぎたことで、今は賞をだしていません。賞の獲得はあくまで日常業務のアクセントです。

 成績の良い農場のデータを集めるのがベンチマーキングではありません。成績のよい農場ばかりが集まると、とんでもない異常な数値になってしまうのです。幅広く多くの農場を集めることで、産業界の平均と目標値を知る、そして自農場の位置を知る、そして自農場をどう改善するかを農場関係者で考え、改善目標を立てることが大切です。そのためにデータ記録では、正確な記録を心がけましょう。正直で正確な記録がベンチマーキングの基本です。

データの正直性・正確度が大切

  あまり日本で言われていない注意点は「データの正直性・正確性(data integrity)」そして「どれぐらい正確なのか」です。その農場ではデータは正しく記録されているのか、その正確度はどれくらいかということです。国際的なベンチマーキングでは、これをはっきりさせないとデータは信用されません。国際基準のソフトは、必ず「データ正確度の測定」機能がついています。その農場データはどの程度信用できるか測定するのです。日本生まれのソフトはこれが弱い。

  データの不正直性には、人間の単純入力エラーによるものの程度と、銀行などに農場をよく見せたいという組織的意図的なものがあります。膨大なデータ処理ですから、入力エラーは必ず起こります。生産ソフトは警告機能がついています。例えば分娩時生存産子数が35頭以上だと警告がでるなどです。組織的意図的な改ざんは自分たちをだますことでもあります。日本の農場データではよく見られます。すぐ是正すべきです。

以下はよくあるデータ不正の実例です。

  • 哺乳中子豚死亡率が非常に低くなる(つまり分娩時生存していた子豚を死亡していたとして記録しているが、実際には生きて離乳されたため)

  • 若雌豚導入から初種付け日数がゼロの雌豚割合

  • 種付けイベント無しの分娩イベント割合

  • 初産次分娩率100%の母豚割合

  • 非生産日数ゼロの雌豚割合

  • 分娩予定日オーバー母豚割合

  • 哺乳中子豚死亡記録なし割合

  • 分娩頭数と離乳頭数の違い割合

米国7年推移ベンチマーク

  米国ポーク生産者協議会(NPB)が「米国5年推移ベンチマーキング」を発表しました。2年前にも発表されていますので、7年としました。欧州に比較して、米国平均は非常に低いので、上位10%値を目標値として付け加えています。米国のこの7年の推移ではっきりわかることは、母豚の死亡率(安楽死含む)の増加が止まらないこと、哺乳中子豚死亡率が急上昇していることです。

 

データ

  農場は5年以上(2019-2023年)の記録を持つ472米国農場で、2023年で母豚130万頭、離乳豚1800万頭、肥育豚1800万頭、ウイーン・トゥ・フィニッシュ豚1000万頭を含みます。繁殖成績は農場単位で、肥育成績は農場単位でなく、導入・出荷グループ単位で記録されています。これに前回発表の2016と2017年のデータを加えて7年推移ベンチマークとしています。なおデータチェックで、データの正確度が低いまたは正確性が疑われる農場またはグループは削除されています。

米国7年推移ベンチマーク:繁殖

 米国の離乳日齢は10年前の18日齢から21日齢まで増えてきました。25-28日齢の欧州との一番大きな違いです。なぜ大きい違いかというと、離乳日齢が増えると母豚回転数(年間母豚当り分娩腹数)に低下します。離乳日齢を1日上げると年間母豚回転数が0.02回低下します。

離乳28日齢となると、母豚回転数2.5回転は不可能となります。それで欧州の高生産性農場では2.3回台で、一方、米国高生産性農場だと2.5回台です。なお米国では母豚(種付け雌豚)には種付け済みの若雌豚を含みますので、経産豚のみの場合より値は低くでます。

 重要生産指標(KPI)のいくつかでは、上位10%値も掲載しました。米国はバラツキが非常に大きく、平均だけではその力強さがとらえきれないからです。米国の平均を見て安心するのでなく、上位10%値を目標値として参考にすべきと思います。

  上位10%値で年間種付け雌豚(母豚)当り離乳子豚数30頭以上で推移しています。2000年頃には、30頭は夢と言われましたが、もう米国の1割以上の農場が達成する値です。そして平均値26頭とは約6頭の差、優秀農場は平均的農場より20%繁殖生産性が高いのです。

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 繁殖総合指標の年間種付け雌豚当り離乳子豚数は、平均ではこの7年は改善できていません。しかし上位10%値では年平均0.25頭改善してきています。米国は優秀農場と普通農場の差が大きいようです。

 米国分娩時生存産子数は、母豚育種改良の効果で年平均0.17頭増えています。しかし哺乳中子豚死亡率も年平均0.27%増えています。そして離乳子豚数は年平均0.13頭の増加です。

 上位10%値と平均の違いは、分娩時生存産子数も離乳子豚数も毎年平均で約1頭です。この1頭の差は子豚数が毎年増えるなかで、育種の力と繁殖管理の差です。

 

 一方、分娩率の違いは6%で、分娩時産子数や離乳子豚数と違って毎年、改善されていません。分娩率は育種の力より、農場の繁殖技術力が大きいのです。

産次構成

 産次構成は0産と1産と2産で60.9%で、3-5産は28.2%で、3-5産よりも若い母豚が多いのが米国の特徴です。更新率も高生産性農場だと60%を超えて高い。米国は育種改良の進んだ若雌更新豚でどんどん更新しているのです。もう少し母豚という資源を大切にすべきと思うのですが。

 なお日本の優秀農場だと0産と1産と2産で50%ぐらいです。3-5産で35%です。ただし米国の種豚を導入している農場は多いので、今後は米国型に変化してゆく可能性もあります。

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 米国最大の問題は母豚死亡ロスが上昇していることと思います。これはこの7年ではなく、この20年の傾向です。30年前からピッグチャンプを使用していた生産者は知っているのですが、1990年代、米国の母豚死亡率は、日本とほぼ同じ5%でした。2000年ごろから8%に上がり米国生産者も獣医師にも大きな衝撃でした。あれから20年、10%以上とはとんでもない値です。その理由はある米国の獣医師に問いあわせました。以下の理由を上げられました。

  • 更新雌豚が不足、候補豚の選択率が高く、肢等で問題がある雌豚も選択している

  • 種豚ラインの育種選抜で、豚が弱い母豚が増えている

  • 妊娠豚ストールからグループ飼育の農場が増加、死亡はグループ飼育に多い

  • 子宮脱と直腸脱が増加している

  • 淘汰基準が変化、ボディコン問題のある痩せ母豚は、食品会社が廃用母豚としての受け取り拒否し、農場内での安楽死が増加している

  • 抗生剤への規制から母豚に使用する抗生剤の量が減らしてきている、今までは分娩前後5-14日飲水または飼料に添加してきたが、今はゼロにしている

 もう一つは、記録上の問題です。どうやら安楽死された母豚が、死亡として記録されています。安楽死と死亡はまったく違うので、記録ソフト上は別々に記録できるのですが、米国では別々に記録していないのです。

なお欧州ピッグチャンプの平均母豚死亡率では7.1%です。もちろん10%を超える高い母豚死亡率は欧州でも見られます。例えばデンマークでは母豚死亡率10%未満にするためのガイドもでています。なおデンマークでは母豚死亡率の半分以上が安楽死です。

 

20年推移の母豚死亡率
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 死亡・安楽死の理由を表にしています。死亡すると思えない理由が多いので、ほぼ安楽死させていると思われます。動物福祉上の大切なことは、苦しみを持続させないことです。ここは日本ではなかなかできないことです。なお新しい理由として帝王切開、直腸脱・膣子宮脱が最近増えています。直腸脱・膣脱が厳しいので帝王切開するというケースもあると思われます。​​​

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農場サイズと母豚生産性

 農場サイズ、特に大規模農場は技術力・資金力・展開力・人材力が優れているとされています。

今回のポイントは:

  • 6000頭農場グループ(4000頭以上)は繁殖成績がよい

  • 3500頭農場グループ(3000~4000頭)は前回に引き続き6000頭農場や2500頭農場や1500頭農場より繁殖成績が低い

  • 630頭(1000頭以下)の農場グループは繁殖成績が一番低い

 

 農場サイズが大きくなるに従い、分娩時生存産子数が増えて、サイズが大きいほうが育種改良の程度が大きいようです。

 米国ではシステムが進んだせいで、3500頭規模だと農場サイズの有利さが、生産アウトプット量とコスト面での経済性以外、母豚生産性では発揮できなくなっているのかもしれません。650頭規模の農場(1000頭未満)が繁殖生産性は低いのがはっきりではじめました。

 大農場の強さを説明する重要な KPI が 2 つあります。大農場はリピート率と離乳後初回交配日数が少ないのです。リピートとは、再種付け、妊娠鑑定の陰性、流産、または未受胎などにより、繁殖週グループから脱落することです。これらのリピートの理由を検討するべきです。

​ 次に、繁殖雌豚を見て、再種付けすべきか、それとも更新用若雌豚で更新すべきかどうか検討すべきです。母豚は離乳されると、いつ繁殖されるかという時計、つまり非生産日数が刻々と進みます。

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高生産性農場は何が違うのか?

 ベンチマーキングでの主技術の一つに、優秀農場を見つけ普通農場と比較をするという優秀農場ベンチマーキング (Best Practice Benchmarking) があります。優秀農場は属性や行動でどこが違うのかを普通農場と比較することで、自農場の改善のヒントを探すのです。優秀農場も自分達の強みがわかり、次のステップを考えることができます。

 さて繁殖農場での優秀農場を探すには、総合指標である年間母豚当り離乳子豚数が使われます。今回の調査では、その総合指標で農場を6つの区分に分けて比較しています。年間母豚当り離乳子豚数30頭以上の高生産性農場は、同26頭未満の普通農場より、分娩時生存産子数が1.8頭多く、哺乳中子豚死亡率が5%少なくて離乳子豚数が2.2頭多いという多産子性、分娩率が9%高くリピート率が8%低く、非生産日数が30日少ないという高い肥沃性がはっきりとでます。

年間母豚当り離乳子豚数は上記の指標から、出来上がっていますので、当然ですが。米国では年間母豚当り離乳子豚数30頭以上の改善は、3つの因子:1)遺伝・育種の改善、2)種付け・分娩介助の繁殖技術の向上、3)哺乳豚飼育への精密技術の向上とされています。

なお米国レポートでは、離乳後初回交配日数を改善するための常識的ヒントを紹介しています。

  • 母豚に十分な数の子豚を授乳させる。子豚への授乳が十分でない母豚は、分娩舎で発情期してしまい発情を見逃す可能性があるからです

  • 母豚のボディコン。離乳母豚が痩せていたり太っていたりすると、卵巣からの卵の数が少なくなる可能性があり

  • 離乳母豚が到着したらすぐに種付け舎で発情を確認

 

高繁殖生産性農場(年間種付け雌豚当り離乳頭数30頭超、農場サイズ3060頭)の特徴

 年間種付け雌豚当り離乳頭数26頭未満、26-27頭、27-28頭、28-29頭、29-30頭、30頭超の6グループで比較した時

  • 非生産日数が27.4日で最も少ない(離乳後初回交配日数6.1日で最も短く、リピート率3.2%で最も低い)

  • 分娩率88.5%で最も高い

  • 分娩時死産割合6.1%で最も低い

  • 哺乳中子豚死亡率11.1%で最も低い

  • 総分娩子豚数16.3頭・生存産子数14.9頭・離乳子豚数12.9頭で最も多い

  • 母豚死亡・安楽死率11.6%で最も低い

  • 更新率67.3%で最も高い

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米国7年推移ベンチマーク:肥育

 肥育成績は利益に直結します。繁殖農場はコストが大きいコストセンターですが、肥育農場は直接に利益がでる利益センターです。農場飼料要求率が0.1改善されると、計算上で肥育豚1頭当り1200円(30キロの飼料×飼料費キロ40円)のコスト減です。飼料要求率はコストに直結し、生産コストは利益のドライバーです。なお繁殖農場の成績がよい農場は肥育成績もよいことが、日本経営研究会の農場決算データからも分かっています。また米国Dr. Paul Ruen獣医師は、子豚の質と健康面から肥育農場での成績は、繁殖農場に責任があると言っています。具体的に、農場の決算値をつかった分析で、年間母豚当り肥育頭数が1頭増えれば、枝肉キロ当りの経常利益が6.2円(6.2円×77キロ=1頭477円)上がります。

 肥育成績は利益に直結します。繁殖農場はコストが大きいコストセンターですが、肥育農場は直接に利益がでる利益センターです。農場飼料要求率が0.1改善されると、計算上で肥育豚1頭当り1500円(30キロの飼料×飼料費キロ50円の場合)のコスト減です。飼料要求率はコストに直結し、生産コストは利益のドライバーです。

 なお繁殖農場の成績がよい農場は肥育成績もよいことが、日本経営研究会の農場決算データからも分かっています。また米国Dr. Paul Ruen獣医師は、子豚の質と健康面から肥育農場での成績は、繁殖農場に責任があると言っています。

 繁殖成績と比して、肥育成績の他の農場との比較は困難または限界があります。まず繁殖での年間母豚離乳子豚数のような総合指標がないのです。飼料要求率も大切ですし、日当り増体量も大切で、出荷日齢も大切です。増体量を重視すると、要求率が増加するし、飼料要求率を重視すると飼料摂取量が低下し増体量が低下し、出荷日齢(または飼料給与日数)は増加します。また飼料要求率も増体量も、豚の期末体重や出荷体重(豚のアウト体重)、導入体重でも大きく違います。米国では「リンゴとミカンは比べられない」と言われています。

 米国調査では、生産システムで3つ(離乳豚、肥育豚、離乳・肥育一貫)にわけて、比較できるようにしています。そして肥育成績は農場単位でなく、導入・出荷グループ単位で記録されています。それでも農場によって、導入日齢や出荷日齢に多少違いはあります。繁殖成績と同様に、上位10%値を目標値として示しました。

  離乳豚(約5 kgから22 kg)では、平均死亡率は悪化しています。飼料要求率と日増体量は若干増加しています。離乳期は死亡率を下げるのが重要です。

 同様に肥育豚(約22 kgから)でも、死亡率は上位10%値と平均値も悪化しています。要求率も7年で悪化しています。日増体量が若干改善されていますが、まずは死亡率を下げることと思います。

 

 ウィーン・トゥ・フィニッシュでは、平均死亡率も飼料要求率も悪化しています。日増体量は若干改善されていますが、まずは死亡率の改善です。米国の死亡率の高さに、どうなってしまったのかと危惧します。表には載せていないのですが、下位10%の死亡率は平均の2倍以上あります。

 現在、米国では生産者がスポンサーとなって生存率(survivability)を上げる研究が各大学でなされています。

 死亡・安楽死の理由も調査されています。半分以上が不明となっています。

 グローバル・ベンチマーキング(経営セクション参照)では過去12年間、米国の肥育豚の飼料要求率は年間平均0.02の改善してきていましていたのですが。

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死亡率6区分と飼料要求率と増体量の関係

 3生産システムごとに、死亡率を6区分にわけ、飼料要求率と増体量の比較をしています。離乳豚では2%未満から6%以上、肥育豚では3%未満から7%以上、ウィーン・トゥ・フィニッシュでは5%未満から9%以上です。

死亡率1%が増えると、

  • 離乳豚(5-22 kg)では飼料要求率は0.02増加し、1日平均増体量は26 g 減ります。

  • 肥育豚 (22-130 kg) では飼料要求率は0.04増加し、1日平均増体量は80 g 減り、

  • ウィーン・トゥ・フィニッシュ (5-130 kg) では飼料要求率は0.024増加し、1日平均増体量は11 g 減ります。

死亡週齢

肥育成績では、死亡率そして死亡日齢は他の肥育成績に大きな影響があります。飼育開始の2週目が大切です。

離乳舎:

  • 死亡の 59.9% は飼育 2 週目から 5 週目の間に発生

  • 消化器障害での死亡の 56.0% は飼育 2 週目から 4 週目の間に発生

肥育舎:

  • 死亡の 42.0% は 飼育2 週目から 8 週目の間に発生

  • 死亡の 13.7% は 飼育17 週目から 20 週目の間に発生

  • 四肢障害での死亡の 22.9% は飼育 17 週目から 20 週目の間に発生

ウィーン・トゥ・フィニッシュ:

  • 死亡の 31.9% は 飼育3 週目から 7 週目の間に発生

  • 死亡の 12.3% は 飼育22 週目から 26 週目の間に発生

  • 破裂での死亡の」 13.4% は 24 週目と 25 週目の間に発生

米国のPigCHAMPによるベンチマークの長期間推移

PigCHAMPソフトの歴史

 大学の使命である研究・教育・知見普及のためには、米国ミネソタ大学獣医学部には、コンピューターのソフト開発が必須であるという展望のもと、ピッグチャンプ(PigCHAMP)は、Dr. Tom Stein(1987年卒)の博士号の研究の一環として開発されました。Tom Steinがコンセプトデザイナーとして、疫学の測定法を取り入れ、統計学科のMS院生Gerard Nimisがプログラマーとなり、その原型を1986年に創出しました。CHAMPの意味は、

C= Computerized コンピュータでの、H=Health 健康、A=and とM=Management 管理、P=Program プログラムから名づけられました。

 1988年に北カロライナ大学からミネソタ大学に移籍したDr. Gary Dial教授がコンセプトデザイナーとなり、農場診断機能と研究機能(データベース応用機能)を取り入れたPigCHAMP 3.05版ができ、ダイアル博士の世界的カリスマ性もあり、PigCHAMPは生産者に飛躍的に使われるようになりました。日本語を含む10言語に訳されて、55か国で使用されるようになりました。そしてデータ共有DataSHAREというプログラムで、毎年生産者から農場データを収集しました。その収集データをもとに大データベース(ビッグデータ)を作り、多くの研究がなされました。また1996年から本格的に重要指標のベンチマークを公表するようになりました。

 生産者にとっては、年間使用料が50ドル安くなり、毎年のベンチマークが届くこと、自農場の成績順位がわかるというメリットがありました。しかしPigCHAMP部門は大学内ビジネスとしては未熟でよく赤字になり、大学としては耐えられなくなりました。2001年11月にカナダ本社のFarms.com Ltdが買収し、ピッグチャンプ社となり現在に至ります。当時の類似ソフトを販売していたPigTale社と合併もしました。

 民間会社のなった今も、創設以来の使命として、米国PigCHAMP社は毎年ベンチマークを発表しています。しかし2003年以前のものや肥育成績は不明となってしまいました。

重要指標の長期変化

 

年間種付け雌豚(母豚)当り離乳子豚数(Fig 1)

 年間母豚当り離乳子豚数(PSY)は繁殖生産性の総合指標です。欧州に比較すると、米国は欧州と比較して平均が低いので、目標値としてTop10%値も出しておきます。Top10%は高生産性農場と考えられます。

 大切なのは改善率と思います。種豚改良は種豚メーカーが育種していますし、管理技術は日進月歩です。毎年、同じ成績だと、それは後退です。高生産性農場は平均0.47頭の毎年の改善、平均でも年間0.28頭の改善です。高生産性農場と普通農場の差、年0.19頭は、育種改良のスピードと管理技術と思われます。

年間母豚当り離乳子豚頭数の20年推移

その改善の原動力は

 母豚が多産へと育種改良されてきています。分娩時産子数の遺伝率は10%ですので、飼料要求率(30%)や屠体のハム割合(55%)などの肥育成績指標に比べるとそれほど強くないのですが、2000年代に入って遺伝子マーカーを使用した育種によって、急速に産子数が増えてきました。分娩時生存産子数で毎年0.19頭、離乳子豚数で毎年0.16頭です (Fig 2)。

 生存産子数が増えると、哺乳中子豚死亡率も増えます。年当り哺中子豚死亡率は0.22%増加しています。しかし、死亡率0.22%は、産子数15頭からいえば0.03頭です。産子数が増える頭数が大きいのです。

哺乳中子豚死亡率の20年推移

 その反面、増えていない、改善がされていないのが、年間母豚当り分娩腹数(母豚回転数)です (Fig 3)。2000年になるまでは、産子数は遺伝率が低い、まず非生産日数の短縮によって、回転数を増やせ、とうのが指導でしたが、2000年に入ると、産子数の遺伝改良が進みました。その分、回転数はあまり言われなくなりましたが、母豚当り離乳子豚数を改善するのは、これも非常に重要です。

 米国の回転数が大きく改善されないことの理由は、授乳期間の延長、つまり離乳日齢の増加です(Fig 4)。母豚回転数は、授乳期間と妊娠期間と非生産日数で決まります。離乳日齢は28日になるともう母豚回転数年2.5産は不可能になります。米国ではこの19年で、18日から20日に増えています。さらにTop10%値では、23日まで来ています。これは、授乳期間を20日以下にして、早期離乳して別飼育(SEW)により、予防できる萎縮性鼻炎(AR)などの病気が大幅に減少(米国獣医師はもう撲滅されたと言う)したせいで、短くするメリットが少なくなってきたこと、18日齢以下の早期離乳では母豚の繁殖障害がある、さらに多産による小さい子豚への対応のため離乳体重を増やしたいなどの理由で、離乳日齢は2日ほど増加しています。

 とはいうものの、離乳日齢を延長すれば、分娩施設の容量の問題がありますので、延長は徐々にです。上昇する生産コストを考慮すると欧州なみになるかは不明です。

年間母豚当り分娩腹数の20年推移
離乳日齢の20年推移

分娩率の改善とリピート率の低下

 分娩率の遺伝率は低いので、これは生産者の繁殖管理の力が大きいと思います。年当り0.2%から0.3%です。Top10%で約90%はすごいと思います(Fig 5)。しかし平均分娩率ではこの3年はコロナ禍の影響で低下しています。

 分娩率が上昇する以上に、リピート率はそれ以上に低下しています(Fig 6)。1回目種付けで発情回帰した雌豚を、再種付けせず淘汰している可能性があります。とくに若雌候補豚は、離乳後早いうちに淘汰すれば非生産日数が短いので、PSYの計算上有利です。

分娩率の20年推移
リピート率の20年の推移

繁殖雌豚の淘汰率と死亡率

 淘汰率は少し減少しているのですが、死亡率が年0.39%で増加しています (Fig 7)。これには、相当な数の安楽死(四肢障害など)も含むと思われます。安楽死と死亡は分けて記録できるので、これは記録を分けるべきだと思います。

 

農場の繁殖雌豚数(種付け若雌豚と母豚)の変化

 1農場当りの母豚数の増加は早いようです。Top10%をみると、1農場5000頭が増えてきているようです(Fig 8)。母豚約2400頭が適正といわれていたのですが、多頭飼育技術が進歩してきているのでしょうか。

母豚淘汰率の20年推移
農場サイズの20年推移

北米トップ繁殖農場の特徴・共通点

米国の大手ソフト会社MetaFarmが410農場(平均母豚数2683頭)からのデータ分析2022年をNational Hog Farmer 2023年4月号に発表しました。著者はMr. Bradley Eckbergです。Top農場は、年間種付け雌豚当り離乳頭数上位10%の農場を選び調査しました。その特徴は:

  • 高い群健康状態を保持

  • タイムリーなデータ入力(週明けではなく、毎日データを入力している)

  • クリーンなデータ維持(行動リスト表やデータ一貫性分析のエラー表示にタイムリーに対処している)

  • 経営陣が日々その成績を分析し対応している

 

生産データを正確に入力し、有効に活用しているということでしょう。​

さてその成績は以下です。対照として下位10%農場の成績を併記しています。

母豚総合成績
母豚種付け成績
母豚分娩成績
母豚管理成績

中国の養豚事情

 英国農業委員会(AHDB)主催の国際Pig Club2023で、中国肉業協会の事務長、Michell Hu氏の中国の肉生産についての講演がありました。その中から、以下養豚に関することです。

繁殖雌豚数は40,000,000頭 (日本の50倍?)、飼養頭数450,000,000頭、出荷頭数は700,000,000頭。養豚農家数20,000,000戸あり、5000戸が10,000頭以上出荷、特に30の巨大生産会社が1,000,000頭以上出荷し、総生産の25%を占めます。全国で5600の屠場があり1,100,000,000頭の処理能力があり、多すぎる問題あるそうです。1人当り40キロの豚肉(日本人の3倍)を消費しています。肉消費の60%が豚肉です。豚肉輸入はスペイン、ブラジル、デンマークが輸入量60%を占め、USA、カナダ、オランダが続く。以下の図は2011年から2022年の出荷頭数(100万頭)の変化です。アフリカ豚熱で、2019年には発生前2017年の23%減少しています。

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ブラジルの養豚生産

​ ブラジルは世界で一番生産コストが安い国です。養豚生産も伸長著しい。英国農業委員会(AHDB)主催の国際Pig Clubで、獣医コンサルタント、Guilherme Brandt氏のブラジルの養豚生産についての講演がありました。ブラジルは世界で4番目の豚肉輸出国であり、チキンでは世界一位の輸出国です。氏はブラジル最大の養豚と養鶏生産者ブラジル食品(BRF)でコンサル活動をしています。BRF は世界117 か国に拠点を持ち、従業員数は 100,000 人を超え、すべての人により良い生活を提供するという 1 つの目標を掲げる食品会社です。ブラジルの養豚生産は1980年の1150万トンから2020年4436万トンの3.9倍に急成長しました。大きな国ブラジルは4つの地区に北部・北東部・中西部・南東部・南部です。南部は養豚が盛んで67%の生産をしています。南東部が18%で中西部が14%です。3つの巨大養豚会社があり、BRF社が母豚40万頭、Aurora社が母豚28万頭、JBS社が母豚25万頭です。

ブラジルの繁殖生産性指標・年間母豚当り離乳子豚数も2018年26.92頭から2021年35.54頭まで年間0.66頭上昇しています。2021年の上位10%は37.16頭まで到達しています。

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肥育豚生産費(繁殖肥育一貫経営)ベンチマーク、農水省のデータから

 2023年12月農水省の肥育豚生産費が発表されました。屠体キロ当りに換算しています。生体115キロで、歩留まり65%で換算しています。なお飼料費には飼料安定基金からの補填金は含まれません。

 2000年に比べて、2022年は屠体キロ当り飼料費は、約80%増加し(右図参照)、飼料費以外のコストは約30%増加しています。飼料費は2008年で日米同時不況の時に、大きく増加したのですが、今回はそれを上回りました。飼料安定基金に加入していない自家配合飼料使用の生産者は非常に苦しかったと思われます。

 飼料費以外のコスト増は、2017年から目立つようになりました。なかでも電気水道光熱費は、2000年時より2倍以上になっています(右図参照)。とくに2011年東日本大震災のときから、上昇が始まりました。さらにロシアによるウクライナ侵略でさらに顕著になりました。省エネを考えた施設・器具そして経営が必要です。

 最大の問題点はこれだけコストがあがっているのに、労働生産性は上がらず、2015年以降は下がり続けています(下図参照)。生産性は7年で14%の低下、年に2%低下、肉として1.1トン低下しています。大変なことです。なお労働生産性は、人当り年間出荷屠体トン数でみています。現在はほぼ20年前に戻っています。なお労働生産性は1人当り2080時間で算出しています。生産性が落ち続けることは、課題が意識されていないからと思われます。詳しくは養豚用語ページのLabor productivity労働生産性と繁殖ページのベンチマークタブで。

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仏養豚研究所IFIPの労働生産性と施設費の国際比較

 フランスも国際比較には熱心なようです。仏養豚研究所IFIPのIntPigからの記事では、労働生産性の国際比較として1時間当り労働費、従業員1時間当り枝肉生産キロ国際比較、繁殖雌豚1頭当り一貫生産建設費コスト国際比較を発表しています。1ユーロは2024年150円で円換算しています。枝肉はCarcass(屠体)の訳です。

 1時間当り労働費はオランダとデンマークの約4000円は驚きます。ドイツとフランスは3000円、米国とスペインは2500円です。EU内でこんなに労働費が違ったら、労働者の移動が起こらないのかとも思います。新興の豚肉輸出国ブラジルは1時間400円というのも驚きます。

 なお国民所得の指標1人当りGDP(国内総生産)の国際比較(2022年)では、ブラジルは9500ドルと安い、日本は34000ドル、米国76000ドル、スペイン30000ドル、オランダ57000ドル、デンマーク68000ドル、ドイツ49000ドル、フランス42000ドルです。円安でもあり、日本は安い、かつ総国内生産も低いようです。

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労働生産性としての1時間当り生産枝肉キロ数で比較すると、ブラジルを除いて100キロを超えます。日本だと優秀生産者でも64キロですから、いかに日本の労働生産性が低いかわかります。そしてオランダの179キロはすごい生産性と思いました。

日本では年間従業員当り枝肉キロ数がよく比較されています。1年間1人当り労働時間2080時間でみると、従業員年間当りでの比較ができます。軒並み1人当り枝肉200トンを超えます。日本の優秀生産者でも134トンです。

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 労働生産性としての1時間当り労働費に対応する生産性の指標として、従業員1000円当り枝肉生産キロ国際比較があります。日本は皮はぎであり他国は湯はぎということで、皮はぎ65%と湯はぎ77.5%で換算率0.839をかけて比較しました。1時間当り労働コストがやすいこともあり、ブラジルが圧倒的な強さ、そして米国と欧州ではスペインの強さが目立ちます。

 建築費の国際比較もあります。各国とも建築費が高騰しているようです。米国とスペインでは1繁殖雌豚当り100万円以下です。環境規制・福祉規制の厳しいドイツでも1繁殖雌豚当り200万円です。日本の建築業は独歩高のようです。日本では1母豚当り300万円の声を聞きます。日本だと消防法や地震対応や山地の整地などが厳しすぎるのか、建築業も生産性が低いのか、なぜこれほどの違いになるのかと思います。

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欧州の母豚・子豚・肉豚の死亡率と肥育成績と出荷成績

 英国農業開発委員会AHDBが2024年に発表しました。英国は他の欧州国との成績の違いを比較しています。欧州では28日齢から離乳舎で52日間飼育し、約30キロで肥育舎に移動、出荷体重は国によって大きく違います。

 欧州13か国(英国含まず)の平均ですので、目標値でなく標準のベンチマークとして使用するべきでしょう。つまり標準値=勝ち残るための最低値ととらえ、これ以上の値を目指すべきです。

 欧州は授乳日数が平均28日で、離乳体重が大きいのが特徴です。離乳日齢が1週間長くなると、母豚回転率が0.12が低下するのですが、欧州は多産系母豚を使用しているので、分娩時生存子豚数の多さで相殺できています。米国は授乳日数は平均20日で、子豚の死亡率を下げるために、カンサス州立大学は、授乳期間を2日程度延ばすことを提言しています。それにしても、欧州に比べて米国の母豚死亡率15%は高い。どうなっているのか、と思います。

​ 肥育成績では年間母豚当り枝肉生産量が、平均2600キロです。トップのオランダは3000キロを超えています。経営ページで紹介している主要生産国(米国、スペイン、デンマーク、オランダ、ブラジル)の生産コストや生産性も参照してください。

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産次構成の安定化

 生産システムが標準化されるにつれて、農場生産での豚の一貫した流れ (pig flow)がますます重要になってきています。繁殖農場における母豚の流れの農場内変動は、繁殖管理である更新用若雌豚の数、更新率、そして雌豚群の産次構成などによって左右されます。若い雌豚(若雌豚および産次 1 母豚)の比率が安定していて、産次 3~5 雌豚(中産次)の割合が高いと、農場の繁殖生産性が向上します。その理由は以下です。

  • 中産雌豚は妊娠しやすく多産である

  • 低産次の雌豚は群免疫が貧弱なため病気の発生のリスクが高くなる。一方、中産次母豚は免疫系が成熟している

 

 なお初産豚や0産次豚数は、一番多い豚群数となります。3-5産豚も初産豚を経過しているからです。0産次豚数は何日齢で群導入するかで変わってきます。180日齢導入する農場もあれば、若雌豚育成ユニットで発情を確認してからの農場もあります。

 米国148農場で調べて、産次 0 および3-5中産次の母豚数の割合の 2 年間の変化を示す時系列チャートです。

 2年間に、産次0と3-5産の割合線が1回以上交差した不安定108農場と、2つの線が交差することはない安定40農場がありました。

 そして産次構成安定農場は不安定農場より、非生産日数が20日少なく、分娩率は4.5%高く、年間種付け雌豚当り離乳子豚数は1.5頭多かったのです。成績の違いのほか、生産の安定・安定出荷ができるという大きな違いがでます。

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産次構成の理想

 産次0雌豚は群導入されてから種付けそして分娩直前までを含みます。群導入は農場によって若干違います。180日齢の農場もあるし、若雌豚育成ユニットで発情を確認してからという農場もあります。

 理想的は産次構成の実例を下左図にあげます。産次構成の安定農場と不安定農場の比較です。各産次平均%の違いは1-5%です。3-5産次母豚は34%です。産次1は17%です。

 次に年間種付け雌豚当り離乳頭数と母豚長期生存性(平均淘汰産次)の上位50%の両方をもつ農場の産次構成です。下右図は生産性が高く母豚の生存性もいい農場の産次構成です。3-5産次母豚は35%です。産次1は17%です。

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 最新の米国優秀農場の産次構成と淘汰産次も上げておきます。欧州系の種豚メーカーを使用しています。死亡率は10%です。死亡理由は、四肢障害38%、突然死20%、膣・子宮脱17%、起立不全15%、難産・後産停滞4%です。多くは安楽死です。

 産次構成では3-5産次母豚は32%です。産次1は20%です。どうやら3-5産次母豚は32%から35%がベンチマークです。産次1は17-20%のようです。

 淘汰産次での驚きは、計画淘汰していないということでしょう。10産次まで使用しています。1産次での淘汰率が高く、6産過ぎるとまた淘汰率が上がります。養豚ソフトが発達していますので、個別の母豚で判断できるようです。

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