米国カンサス州立大学の飼料安全チームによる豚デルタコロナウイルス病 (PDCoV) 発生と飼料の関係の調査報告です。なお豚デルタコロナウイルス病は豚の疾病で、人には感染しません。
2020年11月9-11日に同じ生産システムに所属する3つの繁殖-離乳農場で、妊娠豚舎で下痢の発生がありました。豚デルタコロナウイルスによるものと大学病理診断ラボで確認されました。なお当該農場での免疫獲得のため、11月12日には、3農場とも、生きたウイルスが経口的に暴露されました。
飼料が感染源として疑われたので、大学飼料安全チームにより、2つの飼料工場とその運送ルートでの調査がなされました。飼料サンプルと高いリスクのある場所からのサンプルを検査しました。
3つの農場からは、妊娠豚舎の飼料タンクと、施設への入り口からのサンプルからPDCoVが検出されました。飼料工場とその輸送ルートでは、輸送トラックの乗り口ステップやペダル類や運転ハンドルの表面からのサンプルのみで検出されました。飼料工場からは検出されませんでした。以上の結果から、飼料の運送トラックに感染拡散のリスクがあることが示唆されました。福祉セクションの養豚福祉の実践2-TQAの「輸送でのバイオセキュリティ」も見てください。
参考文献:Elijah CG; Harrison OL; Blomme AK; Woodworth JC; Jones CK; Paulk CB; Gebhardt JT. Understanding the role of feed manufacturing and delivery within a series of porcine deltacoronavirus investigations. Journal of Swine Health and Production. 2022, 30 (1):17-23. https://www.aasv.org/shap/issues/v30n1/v30n1p17.html
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