理想BCS母豚を88%に

　JBSは1953年ブラジルで創業し、他社買収で大きくなってきた、世界の食肉産業界の巨人です。米国カーギル社の養豚部門を買収しています。米国では母豚25万頭を保有して5位にいます。米国カンサス州立大学の2024年養豚セミナーで、JBS Live Pork LLSの米国責任者の話からです。

　同社モットーは、コスト効率のよい豚（cost efficient pigs）を世界に供給する、そのためには競争心を持ち、完璧なプロセスの実行です。計画と実行への意欲がすさまじい。

　実例の一つとして、2020年に母豚の低い繁殖成績（分娩時生存子豚数、ミルク量、哺乳中子豚死亡率）の改善策として、ボディコンデションスコア（BCS）の理想スコア3の母豚割合を80％にする、と計画しました。

　標準作業手順（SOP）を、BCSを最後位肋骨をノギスキャリパー、または肋骨・腰骨・鼻根部を触って測定するとしました。測定時期は離乳時または交配時、妊娠期30、60、90日齢、病気または外傷時。そして飼料給与量を調整。ただし1.8キロ/日にはしない。授乳期はFull-feeding 飽食です。妊娠期の管理法は繁殖ページの実践繁殖タブで。

　4年間で以下のようにBCSが理想BCSが88％、太りすぎ8％、痩せすぎ4％に変化しました。すごい実行力と思いました。理想BCS-3の88％は目標ベンチマークになると思います。