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成豚の安楽死のための電撃法

更新日:2022年5月26日

 研究記事です。本研究は米国オハイオ州立大学の動物委員会の許可をとって実施されました。豚の安楽死はすべての養豚農場で働くすべての人が実施すべき道徳的義務です。出荷体重での倫理的な安楽死の方法(貫通式ボウルト法:PCBD)についてはよく検証されています。

 成豚(体重200キロ以上)については検証されていません。それで成豚用の人道的な安楽死の方法としての2段階電撃法 (E-STUN)の有効性を評価し、PCBDと比較することです。

 2段階電撃法 (図ab参照)とは、始めに頭部を10秒電撃し、その後頭部と胸部を10秒電撃する方法です。E-STUNの機械はドイツHubert社製で、230ボルトで50Hz、2.0から2.4アンペアでした。方法の有効性は、すべての豚が処置後10分以内に心肺機能が停止することで判定しました。脳6分野の外傷は定量され、脳の内出血の有無は記録されました。処置されたすべての豚は直後に無感覚となり、呼吸はなくなりました。2つの方法で差はありませんでした。呼吸が完全に止まるまでの時間は、雌雄豚ともにE-STUNがPCBDより短縮されました。

 本研究により、体重200キロを超える豚に対する農場での安楽死法として、E-STUNは無感覚にして死に至らしめる方法として有効であることが分かりました。詳しくは福祉サイトの安楽死タブで。

引用文献:Kramer, SA; Wagner, BK; Moeller SJ; Bowman AS; Kieffer J; Gonçalves A; Cressman MD; Pairis-Garcia MD. Technical Note: Validation of the effectiveness of electric stunning for euthanasia of mature swine (Sus scrofa domesticus), Journal of Animal Science, 2022, 100, 1-6.




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