分娩直前母豚への給餌量は、30年前から議論されてきました。カンサス州立大学のトカチ教授が結論をだしてくれたようです。米国養豚獣医師会からのニュースです。
「分娩直前に飼料を切ることの意味は、便秘や難産の発生を減らすために、消化管を "クリーンアウト"することでした。現実には、母豚が分娩のためのエネルギーの供給を必要とするため、母豚への飼料を切らすことは死産子豚数を増加させる可能性があります。最低でも、分娩前と同じ給餌量で飼育したいものです。理想としては、分娩直前は母豚に1日2回以上給餌し、分娩後は速やかに飼料摂取量を増やし、できるだけ早く自由摂取にするべきです。なお産子数が少ない母豚の場合、エネルギーの必要量は少なくなりますので、給餌量を子豚数に合わせて調整することは可能です。
また、以前に農場が、分娩前は給餌を控え、分娩後は給餌を制限していた理由は、授乳が不十分であったり、分娩施設の衛生状態が悪かったりすると乳房炎になることが多かったからです。少産子数と不衛生がある場合は、摂取量を増やすスピードに注意する必要があるかもしれませんが、私はいかなる時点でも完全に飼料を切ることは推薦しません」
参考図は米国農場の飼料給餌法。詳しくは繁殖ページの実践繁殖タブの授乳期飼料のやり方と栄養ページの授乳期栄養で。
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